金沢大学医薬保健研究域医学系 産科婦人科学教室

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腫瘍学研究室


○子宮内膜癌の予後因子に関する検討  

子宮内膜癌において再発リスクの低い症例の中で癌抑制遺伝子であるp53の異常とホルモン受容体であるEstrogen receptor βの高発現が無病生存率を有意に短縮させること明らかにし, 癌の進行リスクを予測する信頼度の高い因子を同定した。

Dual expression of immunoreactive estrogen receptor β and p53 is a potential predictor of regional lymph node metastasis and postoperative recurrence in endometrial endometrioid carcinoma. Obata T, Nakamura M, Mizumoto Y, Iizuka T, Ono M, Terakawa J, Daikoku T, Fujiwara H. PLoS One. 12(11): 2017.

関連する競争的資金等の研究課題 
研究課題 19K18666 https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K18666/
研究課題 18K16794   https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K16794/


○子宮頸癌への進展抑制治療法の開発

我が国は先進国の中で唯一子宮頸がんワクチンの接種が推進できない状況になっている。従って今後は既にHPVに感染している若年女性の子宮頸癌への進行を将来にわたり抑制する治療法の開発が求められる。これらの背景のもとHPV感染に関連した子宮頸部細胞の分化を抑制して癌化への進行を促進する機序の解明を試み,その候補分子の同定に成功し, この新しい機構を応用した治療法を開発している。



卵巣癌腹膜播種の新しい機序の解明と治療法の開発 

癌の転移にはいわゆる上皮間質転換(EMT)が重要とされ卵巣癌の腹膜播種においても同様の概念で説明されている。しかしながらそれとは異なる機序が存在すること, また実際にはそれらの症例が多くあることを見出した。現在その機序の解明と治療法の開発を行なっている。
関連特許:卵巣癌の検出方法及び卵巣癌治療剤  ( 特願2019-078850 / 出願日:平成31 年4月17 日 )
関連する競争的資金等の研究課題 
研究課題:19K09797  凝固系をターゲットとした卵巣癌腹膜播種機序の解明と治療戦略に関する基礎的研究  https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09797/
研究課題:18K16762 凝固系カスケードを利用した卵巣がん細胞集塊の腹膜播種戦略機序の解明 https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K16762/
 

A novel strategy of ovarian cancer implantation: Pre-invasive growth of fibrin-anchored cells with neovascularization. Matsuoka A, Mizumoto Y, Ono M, Kagami K, Obata T, Terakawa J, Maida Y, Nakamura M, Daikoku T, Fujiwara H. Cancer Sci. 2019 Jun 14.

子宮頚部異形成の進展に関する検討

シチジン脱アミノ化酵素群であるAPOBECファミリーの中でAPOBEC3GがHPVに感染した子宮頸部で発現しHPVのDNAに高頻度突然変異を引き起こし, 子宮頸部異形成の進行に寄与することを明らかにした。この結果より現在は子宮頸部の慢性炎症によりAPOBEC3が慢性的に発現しすることで、高頻度変異を引き起こし、CINの進行を促進する」という仮説のもと研究を進めている
関連する競争的資金等の研究課題 
研究課題18K16792 :感染によるAPOBEC発現を介した遺伝子発現変異誘導とCIN進行機構の解明 https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K16792/   
"APOBEC3G is increasingly expressed on the human uterine cervical intraepithelial neoplasia along with disease progression. Iizuka T, Wakae K, Nakamura M, Kitamura K, Ono M, Fujiwara H, Muramatsu M. Am J Reprod Immunol. 78(4), 2017.   
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